天界の秘義 第四巻
Arcana Caelestia vol.4
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 2001年6月19日に、第一巻を発行。翌年の同月同日に第二巻を発行し、その翌年の同月同日に、第三巻を発行しました。今年も6月19日の新教会日に、第四巻を発行できることは、主のおん慈悲からくるご配慮と、心から感謝いたす他ありません。同時に、多くの方々の祈りと励ましに支えられたことは、今さら申すまでもありません。

 第四巻巻末の「訳者あとがき」には、多少の紙面を割いて、次のような順序で、本巻の解説をさせていただきました。

1.想定される疑問・質問

2.聖典と〈みことば〉

3.キリスト教の問題点

4.信じてこそ分かる

5.創世記第24章要約

6.イエス・キリストの生涯の空白時代

7.主の合理性の誕生と神化の完成

8.寓話的表現の背後にある内的意味

9.人間再生の表象的意味

10.『天界の秘義』の啓示性

 ここであらかじめ、内容を説明することは控えますが、ただ、「訳者あとがき」の最後の部分だけを引用することで、第四巻の内容を素描することができれば、ご購入いただく場合にも、参考になると思いました。

 「創世記第24章の物語を読み、『天界の秘義』の秘義性を知ると、ここに主イエスの内的葛藤をほんの微かでも眺めると同時に、再生する人間の戦いを垣間見ることができます。創世記の物語は、単なる歴史的物語でなく、神の〈みことば〉である根拠については、真の意味で、スヴェーデンボルイの『天界の秘義』なくしては、十分な理解は得られないでしょう。イサクの嫁探し物語が単なるユダヤ人民族史でなく、神の啓示の〈みことば〉であるといわれる理由もここにあります。

また、主イエスの場合、その内面史は、人間としての目覚めと同じく、幼児期の初期から芽生えたものと考えられます。十二歳のおり、神殿で質問するイエスに、学者たちが驚嘆した記録がありますが、少年イエスの早熟を思わせます。『天界の秘義』に記されている主の内面の戦いと勝利は、福音書に記されていないナザレの私生活時代を含め、三十年近くにも及ぶ長い期間であったと推察されます。

 それに比較すると、人間の場合、自分の悪を自覚するころから自己改革が始まるため、早熟でも十代前半から、内面の葛藤を自覚します。信仰の真理を知る機会に恵まれなかった場合、二十代から五十代ごろ始まっても不思議ではありません。

 訳者の場合、十代の始め、キリスト教に入信したとはいえ、新教会を知ったのは、五十代前半であり、七十代になって、和訳を通して、始めて『天界の秘義』の驚嘆すべき内容に気づいた次第です。二十代にカトリック、三十代にプロテスタント、四十代に超教派の神学研究に打ち込みながらも、キリスト教の神、神人イエス・キリストが福音書に記された言動でしか理解できなかったのに較べ、スヴェーデンボルイの『天界の秘義』に記録されている主イエスの内面史に含まれる膨大な知的宝庫には、いまさらながら唖然たる思いです。数知れぬキリスト教神学者にとって、どれほど強調しても足らぬほど、本書は、貴重な知識と英知の泉になるはずです。

それと同時に、本書の真意を汲み取るためには、現代人にとっての「狭き門」をくぐらねばなりません。それは、古くはカンタベリーのアンセルムス(1033-1109)が言った「理解するがために、われ信ず  Credo ut intelligam」の一言ではないかと思われます。

       2004年6月19日   訳者」 

 

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